ダイレクトメール(DM)

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ダイレクトメール(DM)とは

個々人宛に商品案内やカタログを送付する販促手段です。ダイレクトメール(以下DM)は実際のモノであるため手で触れ、デジタルでは提供が難しい実体験を提供することができます。印刷物や商品サンプルなど多くの情報量で、ブランドのストーリーや世界観を伝え、お客様の態度変容に働きかけられます。

マーケティング施策の傾向

近年ではメルマガ、フォローアップメール、レコメンド等、企業において様々なマーケティング施策が必要となっていますが、こうしたデジタル型のアプローチだけでは十分な効果を得ることが難しくなりつつあります。その一因としてEメールを含むオンラインでの接触を望んでいない、更には拒絶しているデジタルではリーチできない顧客の存在が増えていることです。その一方でDMに代表される従来型の「アナログ」なマーケティング手法を取り入れ、デジタルマーケティングと組み合わせた施策に取り組む企業が年々増加しています。

皆さまには1日何通のメルマガなどのデジタルマーケティングツールが届きますか? 私には少なくとも10通程度が毎日届きます。逆にDMなどのアナログ型は1日1通あるかどうかです。これはデジタルに比べてブルーオーシャンと言えるのではないでしょうか?

日本郵便・富士フィルム・早稲田大学による実証実験

日本郵便・富士フィルム・早稲田大学が産学協働で2年間にわたりデジタル×アナログを組み合わせた実証実験を行いました。

とあるECサイトで、メールを2回送った時のサイトへのアクセス数は10%、注文数は3%に過ぎなかったのですが、メールを1回送った後に紙のDMを送った場合は、アクセス数は23%、注文数は12%と増加しました。また紙のDMを送った後にメールを送る方式ではアクセス数は23%、注文数は14%と更に高くなりました。

また、この実証実験のアンケートで30代以下のデジタルネイティブ世代が、紙に温かみを感じていることが判明し、紙について「労力がかかっていると感じる」と総合的に高く評価していたのは意外でした。

デジタル + アナログ

デジタルまたはアナログのどちらか一方ではマーケティングの効果は非常に限定的です。特性ではDMの方がEメールよりも開封率が高く、Eメールは1度開封されてもすぐに他のメルマガ等に埋もれて忘れられてしまう事が多く、反応期間が短いです。反応期間の長いDMが記憶に残っている間に「お手紙届いてますか?」というフォローメールを送れば、そのEメールの開封率も上がります。更にDMで案内されているWebサイトに手動でアクセスするのが面倒で後回しにしていた人も、Eメール内のリンクから簡単にアクセスできるようになるので、より高い効果が期待できます。

また、DM送付後に電話で連絡をした時の出た人の印象をセールス担当にヒアリングしたところ、ポジティブ5%、ニュートラル46%で、少なくとも「ガチャ切り」される事はほとんど無かったということです。

一番重要なことは適切な人に、適切なタイミングで、その人にとって有益な情報を、正しい手段で送ることです。デジタルか、アナログかというのはあくまで手段であり、データを元にターゲット、タイミング、情報、手段を最適化することは言うまでもありません。